この表現が問題なんだよね、、、
教育系の雑誌に
「世界に出ても負けない子に育てる」
(そして教材の宣伝が続く。)
という大きな見出しがあった。
私は、その表現が嫌いです。
不安を煽って教材を販売しようとする出版社が実に多い。
でも、結局はこの考え方が 負け組 を作るんですよ。
決して、「勝ち組」を作らない。そして、「価値」をも作りにくい。
「世界で負けない子」の表現は、「俺の力で世界をよりよい場所にできるんだぜ!」
と言った意気込みや、この先の事への好奇心と期待を芽生えさせる表現ではない。
「~~~に負けない」というのは、押し付けられた状況に対してうまく対応できる子、、、というイメージが強い。
たしかに、押し付けられた課題に課題しなければならない時がある。
子供には、問題が足元に来るまで待ち構えではなく、
観察力を鍛え課題を発掘し、
その「課題を解決するぞ」(自分以外の人も得する)という課題を肯定的に捉え、
行動しやすい考え方をもって育って欲しい。
だが、すくなくても、自分の子(上杉英会話教室の生徒たち)には、
「勝つぞ!」といった内発的意気込み、チャレンジを前向きにとらえる人になるように、
普段から言葉遣いを気にしている。
「その課題に負けない!」(自己保身になりやすい)人になって欲しくない!
小さい時から強力な意志を持ち、ビル・ゲイツやイチローのように、「できないだろう」と言われると火がついて、大きな結果を起こす人には、有効なフレーズかもしれない。でも、ほとんどの子、「厳しいぞ!」「強い相手いっぱいいるぞ!」、「やられぞ!」と言ったメッセージを聞いたら、その場から遠ざかる。 実際にその場でやっていけるだけの力があってもなくてもです。
会社の人事評価でいう、「減点主義」に近いものがある。
「~~~に負けない」というのは、押し付けられた状況に対してうまく対応できる子、、、というイメージが強い。
だから、「将来に対応する子」(どの将来に対応するの?、、、そんなのだれも予測できない)、
とか、「世界に出ても負けない子ども」(世界はそんなに怖くありません。
日本を出て、いろんな国を見て、言葉がどれほど価値があるかを知るのは、超楽しいです。
世界は勝ち負けを争うところだけではない。
むしろ、自己、自国を知るために最高のツールと物差しです。
子供が世界に出ていくことことを躊躇させてしまう言葉は 何としても、控えなければいけない。
言葉の力はすごい。
普段からつかる言葉の言外の意味を考えて、発信しよう。
とくに、子供の教育に関わっいている方。
** 私は上記の会社の教材を自分の子にも使っています。 だから、完全にダメ!というわけではない。 ただ、スローガンが子どもの頭に刷り込ませているメッセージが良くないと言っている。