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無批判に導入しやすい「音読」

次の文を初見で音読してください。
「It had been a long day for Tom. He was ready to go bed for the night. Just as he was about to fall asleep, his phone rang. He looked at it but did not recognize the number.  “Hello?” he said. But no one answered.”

さて、音読はできたたが、はたしてどれくらい内容が理解できたでしょうか?
次は、上の文を黙読してください。

音読と黙読では中身の理解に変化はありましたか?おそらくあったと思います。

音読の時には、自分の声の大きさ、発音、音読という行為そのものに集中力が使われ、意味理解に回すエネルギーが減っている可能性が高い。

外国語学習の過程において、音読は無批判に受け入れられることが多い。子どもの音読姿勢を見たりや音読声を聞いたりすると、教師(←私を含む)も親も喜ぶ。ただし、「流暢に読めてる」=「理解している」ということにはならない。最近のレッスンでこのことが明白になった。

本教室では、どんな子でも通塾1回目のレッスンから徹底的に大量の音声インプットを提供している。また、レッスン外の宿題も基本耳で英語を聞く宿題です。順調にいくと、月10時間~15時間の英語がインプットされます。
そのため、海外経験無し、英語イマージョンプ幼稚園出身じゃなくても、発音は極めて上手です。(数か月前の話ですが、街中で私と生徒のご家族が街ですれ違い、立ち話中に、私の友人であり明泉のプレミアの先生も通りがかかりました。生徒さんは、毎週のレッスンで必ず実践している英語の自己紹介(30秒ぐらい)が咄嗟にできました。 生徒さんとお母さんが別れてから、明泉の友人は僕に向かって、お世辞抜きで、”Wow….his pronunciation is pretty good! I was kind of surprised.”)
ネィティブ英語を大量に聞いているので、自分が話す英語もそれに似てくるのは当たり前だろう。

当然ながら、本を音読するときも、綺麗な発音で読める。 dog, I, cat, is, are, happy, up, down, go, over, sit, under, want, went, desk, などと言った言葉が含まれた文は綺麗に読める。本を読み終えた、内容を聞くと、概要は説明できる。しかし、特定の文の意味を聞くと、答えられないケースが多い。

少し調べた見たところ、音読の流暢度は理解度の参考にしていいが、理解の指標とはできないことを示すデータがある。実際に、意味理解を目的として音読に否定的な学術論文が多い。絶対否定派もいなければ、ぜってい賛成派もいない。

10個ほどの論文を読みました。
(例えば☟)

10個の論文を読んだ印象を自分の経験と関連付けて分析すると、以下のようになる。

音読の良い点

①音読は英語を話す口の動き・筋肉上達に有益である
②本の内容を相手に伝えるために効果的である
③自主発話力が足りないときに、有益なスピーキング練習

音読の注意点

 

①綺麗に読めるから理解できるとは限らない(単語学習、文法学習も欠かせない)

②音読には内容理解以外の目的もある(グループ学習の題材、Activity)

③黙読と音読は対立していない。現場に立っている先生が専門的知見によって、音読の導入有無を決      定する。

(音読の効果を謳う市販の本は多い。しかし、中学校英語を10日で復習できると主張する本カバーも多い。動詞は20個でいいという本もある。市販の本は英語学習の参考にすればいい。でも、勉強計画の土台にしない方がいい。)

現場に立っている先生が専門的知見によって、音読の導入有無を決定する。

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